あの日、私は確定申告へ行くために、母親に家へ来てもらっていた。

去年、税務署で気が遠くなるほど行列に並んだし

そこへ息子を連れていくのは無理!と思ったから。


だけど、いざ計算してみたらほんとーに微々たる金額しか戻ってこないことが分かり

そうなると、わざわざ行くのが面倒になり、郵送することにした。

郵便局で送ったあとは、外でご飯を食べて、買い物して帰宅。


私が出かけているあいだ、母親と息子は外で遊ぶ予定だったけど

渡しておいた予備の鍵がなぜか、かからないということで

結局ずっと家にいたらしい。

私が帰ったときには、いつものDVDを観ていた。

それが14時すぎのこと。


はじめの揺れがあったとき、なんの話をしていたかは忘れたけど

3人ともすぐそばにいたのは幸いだった。

グラグラッという音から、戸棚がミシミシする音に変わって

「これは大きいぞ」と思ってからずいぶん長いこと揺れていたので

ドキドキしながら鎮まるのを待っていた。


こちらが不安そうな顔をしているせいか、息子がキーキー言い出して

それをなだめるのが一番大変で、あとは食器棚のミルクピッチャーが倒れただけ。

何か割れたり、落っこちてきたり、まったくなかった。


それからずーっとテレビのニュースをつけっぱなしで

流れている映像を観ていたのだけど

当日は現実感が全然なくて「すごいね・・・」と言いあうだけ。

翌日、またその翌日と日を追うごとに、だんだん恐ろしくなってきた。


家がなくなってしまうこと、家族を失ってしまうこと、寒い思いをすること

お腹をすかせた状態であること、ぐっすり寝られないこと、

そしてその状態がいつ終わるか分からないこと・・・。

すべて、「もし自分の身に起こっていたら」と考えると

心がきゅうううっと縮こまる。


私の周りでは、地震当日に世帯主が6時間ほぼ歩きで帰ってきたことと

仙台にいた世帯主の後輩さんや、私の叔父の安否がしばらく不明だったことくらい。

昨日までに、どちらも無事なことが分かってホッとしたところです。


寄付と節電。

多くの方が言われているように、今ひとりひとりが出来る最善のことは

この2つなのかなと思う。


我が家も、「いつもよりちょっとだけ不便で質素な生活」を心がけてます。

昨日、地震以来はじめてスーパーに行ったら

パンが1つもなかったので何も買わずに回れ右してきました。

家にはなんかしら代用できるものがあるさ。


被災地の方々が、少しでも早く、少しでも快適な生活を取り戻せるといいなと思う。